「できれば起業は避けたかった」岡田 奈穂子、起業のリアル | スタートアップカフェ大阪

起業家インタビュー

2018.09.25

STARTUPREAL

「できれば起業は避けたかった」岡田 奈穂子、起業のリアル

岡田 奈穂子(オカダ ナホコ) 30歳 ー

大学卒業後、大手通信販売会社で6年間海外雑貨の輸入や商品企画を行う。

その後、旅行業界へ転職し、2017年6月に起業。

LED関西(女性起業家応援プロジェクト) 2017 Finalist。

 

オーダーメイドの旅行プランニング

ー 岡田さんのお仕事の内容を教えていただけますか?

『おいしい旅』をテーマに、食の楽しみに特化したオーダーメイド型旅行のプランニングサービスを行っています。

旅行をするのに『ツアーだと好きなところを全部回れないけど、手放しで現地に行く勇気もない…』という方がいらっしゃるんです。

そういった方のために、飛行機やホテルの手配、レストランの予約等を含めたオリジナル旅行を提供させていただいています。

 

ー どういった旅行先のプランニングをすることが多いなどありますか?

現在のお客さまは、ハネムーナーさんや中高年の女子旅が多いです。

『世界で一番おいしい旅』をコンセプトに国内外問わずプランニングさせて頂いています。

 

起業のきっかけ

ー もともと起業を考えられたきっかけは何かありましたか?

実は私の場合「起業」という選択は一番避けたかったんです(笑)

私自身もともと旅行が好きで、最初に就職した会社のお仕事柄もあり、公私ともに海外へ行く機会が多かったんです。

だから私自身は海外旅行に慣れていて、飛行機とホテルだけを予約して旅行へ行き、現地を自由に楽しむことが普通でした。

ただ当時はツアーが主流だったため、よく友人から『私もそんな旅行がしてみたい!』とお願いされ、趣味としてお金も頂かずにプランニングをしていました。

 

ー 大体何件くらいをプランニングされていたんですか?

実は気がづくと年間2、30件になっていて(笑)

それが2~3年続いたのですが、徐々に『新婚旅行』や『親孝行の旅行』など、一生の中でも特に大切だろうなと思う旅行をお願いされることが増えてきたんです。

現地の知識や繋がりこそあるものの、当時の私は専門知識もなく、旅行先での保証等も何もできない状態で。

「私なんかがこの旅行を手配してもいいんだろうか…?」とプレッシャーを感じるようになって。

当時の「仕事」も好きだったのでとても迷ったのですが、旅行で生きていくことを腹に決め。それならば、今自分にないものを補うために旅行会社に転職しよう!と思ったんです。

 

ー その時はまだ起業しよう!とはならなかったのですか?

はい。まだ全然考えていませんでした。

そして前のめりに旅行会社で仕事をはじめたのですが、旅行業界の古い体制や大人の事情もあって。

気付けば、今まで喜んでもらっていたはずの『本当にお客さまのことを考えた旅行』が提供できない状況になっていました。

 

ー だから起業を決めたと。

そうなんです(笑)

その時も渋々だったんですが、もうそれしか方法がないのかなと思って自分でやっていくこを決めました。

 

起業を決めて一番はじめにしたこと

ー 起業を決めて一番はじめにされたことって覚えていますか?

なんだろう…スタートアップカフェ大阪に来ました!

本当に個人事業主という言葉も知らなかったし、会社ってどうやって作ればいいんだろう…という状態だったので。

何から始めればいいかも全くわからなかったので、友人に「無料で起業相談できる場所ができたよ」と聞いてスタートアップカフェ大阪に来てみました。

 

スタカフェ大阪のいいところ

ー 岡田さんも今でもちょくちょく来ていただいていますが、岡田さんの思うスタカフェ大阪のいいところってどこですか?

一番はホーム感ですね。

ここに来ると先に起業をされた先輩もいるし、士業の先生もいるし、コーディネーターさんもいるし、何かあった時に気軽に相談できるので安心できます。

起業の大先輩じゃなくて、ちょっと先に起業した人たちがいてくださるので「クラウドサービスって何使ってますか?」とか、些細な質問や意見交換できて、当時から今でも全く孤独を感じずにいられています。

 

今後の展望

ー 事業において今後の展望を聞かせていただきたいです

実は2019年の4月を目処に新規事業を立ち上げます。

『gochi荘(ゴチソウ)』と言って、簡単に言うと「おいしい食文化体験のできる宿」のポータルサイトです。

農家民宿や漁師宿など、ただ「食べる」だけではない、現地の食文化を楽しめるお宿が全国にはたくさんあるのですが。

それらの魅力に触れ、予約できるサイトを作ろうと進めています。

WEBデザインもある程度仕上がってきていて、こんな感じになる予定です♪

今回は、『おいしい町に泊まろう』というコンセプトで、宿情報だけでなく、各土地のローカルでおいしい魅力もまるごと発信していきたいと思っています。

リアル裏トーク

事業に失敗したら…?

ー すみません。スタートアップリアルなので、みなさんが気になることをズケズケ聞いていきたいのですが、毎度お馴染みの質問。ぶっちゃけ事業に失敗しちゃったらどうします?

パン屋さんになりたい!(笑)

今は自己資金で経営していることと、そもそも在庫を持たないビジネスモデルなので大きなリスクも無いんです。

でも、もし新規事業を始めてダメになったら、大好きなパン屋さんで働きたいです!(笑)

 

起業するまではこんなこと考えもしなかったんですが、起業してからは、本気でやりたいと思えば大体何でもできちゃうんじゃないかな。と考えるようになって。

だから、事業がダメになっても好きなことをして生きていくと思います。

 

夫婦の在り方に変化が…

ー 岡田さんはご結婚されていると思うのですが、起業する際に困ったことなどありませんでしたか?

旦那さんは「僕が支えてあげるよ」と言ってくれていたのですが、どうしても私の中にずっと違和感があって。

昔からの友人で最初から共働きだったので、生活に関するお金は私もきちんと負担していました。

それが当たり前になっていたので、経済的に支えてもらうとなると私自身、「それなら家のことは全部私がやらないと」と感じるようになってしまって。立ち上げたばかりの事業と家事との両立に勝手にプレッシャーを感じ、かなりピリピリしてしまったんです。

 

ー ちなみそれはどうやって乗り越えられたのですか?

その時に彼(旦那)が決めてくれたことが、

『生活に関する支出は全て彼(旦那)が出す。その代わりに私はふたりのご飯代や旅行代などを出す。』

ということでした。

つまり、私は「おいしい」と「楽しい」のために働く、家庭のレクリエーション係になったんです (笑)

私が稼げば稼ぐだけ家のごはんや旅行は豪華になるし、ダメでも死ぬことはない。とても気楽になりました。

 

前職の退職時に…

ー 岡田さんのお話がクリーンすぎて全然リアルさを感じないのですが、何か辛かったことなど無かったんですか?

えーーー…

あ、前職の退職時には少し苦労がありましたね。

独立したいと伝えた後から、営業担当だったのに事務所から出ちゃいけなくなったり、支給されていた物たちがどんどんなくなっていって。今日何の仕事をして過ごせばいいんだろうって、毎日… (笑)

 

ー そんなドラマみたいなこと、あるんですか?!

うーん。でも、理由はわかるんです。

独立となると、お客さんを持っていくんでしょ、みたいな考えが旅行業界にはあったので。

でも前職は国内の団体旅行がメインで、私は海外への個人旅行をターゲットにするつもりだったので、何ならこれからも協力し合える?!なんて・・・世間はそんなに甘くはなかったですね (笑)

それでも、旅行業を学ぶことができたのは前職のおかげなので今も本当に感謝しています。

これから起業する方へメッセージ

ー さいごに10代、20代でこれから起業を目指す人に向けて何か伝えたいことはありますか?

それが最善かはわかりませんが、少なくとも私は好きなことで起業してよかったなと思っています。

起業してみると思っていた以上に大変なこと、辛いことが沢山あるし、上手くいかないことや壁にぶち当たることもしょっちゅうです。

それでも明日もがんばろうと思える、続けられるのはやっぱり好きだからなんです。

好きだから逃げないし、新しい夢や目標も持ち続けられる。

 

『好きなことで起業しろ』とか大それたことは言えないですが、何か人とは違う、自分だけの「好き」が、起業の分野や、事業を構成する要素として含まれているといいのかなと思います。

起業するのは簡単だけど、続けていくことはすごくすごく難しい。

悩んで考えることばかりだから、毎日考えても苦にならないものであれば、続けていきやすいんじゃないかなと思います。

 

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