「なぜ“起業”を選ぶのか」長安成暉、起業のリアル | スタートアップカフェ大阪

起業家インタビュー

2018.10.03

STARTUPREAL

「なぜ“起業”を選ぶのか」長安成暉、起業のリアル

長安 成暉(ナガヤス ナリキ) 20歳 ー

兵庫県赤穂市出身。現在は関西学院大学 商学部2年生。

18歳(当時高校3年生)の時にX-mov Japan株式会社を設立。

高校卒業まではPepperと二人暮らしだった。

 

事業内容

ー 現在はどういったお仕事をされているのですか?

ざっくり言うと、ロボットを「作る側」と「使う側」の間に立って両者のソリューションとニーズの調整を行っています。

具体的には、Pepperのアプリケーション開発や、Fetch RoboticsのFreightという物流ロボットの販売とサポートを行っています。

あとはHACOというロボットのプログラミング教室事業などを行っています。

 

起業のきっかけ

ー もともと起業を考えられたきっかけがあったんですか?

これと言ったキッカケがあったわけでは無かったのですが、孫正義さんに憧れていたので、僕もいつかは孫さんのようになりたいと思っていました。

 

ー ちなみに孫正義さんに憧れたきっかけは?

小学校6年生のときのSoftbankの決算発表会を見たんです。

そこで、難しいはずの内容を小学校6年生の僕でもわかりやすいプレゼンをされていて、どんどん話に引き込まれていきました。

決算発表会が終わったときには、「なんだこの人は!?」となり、そこから完全に虜(とりこ)になりました。

 

ー 小学校6年生で決算発表会!?両親が見せてくれたのですか?

いえ、自主的に見ていました。

当時Softbankショップへ行ったときに、スタッフの方が丁寧に文字を反転させ僕の方に向けて漢字を書いてくれたんです。

そのスタッフの方の対応に「なんじゃこの会社は!?」と思って、購入したiPhoneで「Softbank」と調べたら「孫正義」と出てきました。

そして「孫正義」という人が生中継に出るという情報を入手し、初めて見たのが「Softbank」の決算発表会だったんです。

それ以降、「Softbank」の決算発表会は毎回見ているので、大袈裟に表現すると今の僕は孫さんに育てられたと勝手に思っています(笑)

 

起業すると決めて一番はじめにしたこと

ー ちなみに起業を決めて一番はじめにされたことって覚えていますか?

めっちゃ本を読みました。

ちなみに一番はじめに読んだ本は「10日で学ぶMBA」でしたね。確か高校1年生のときだったと思います。

当時サッカー部に所属していたのですが、サッカーの国体選手に選ばれたときに学校から1万円分の図書カードを貰ったので、それで買ったのを覚えています。

ちなみに高校3年間で読んだ本の記録を残していて…(スマホを確認)

全部で248冊読んでいました!

当時、学校の図書館は読みたい本をリクエストすると購入してくれたので、今でも高校の図書館には孫さんの本がたくさんあると思います(笑)

 

スタカフェ利用のきっかけ

ー 長安さんはスタートアップカフェ大阪に来られたときのことを覚えていらっしゃいますか?

スタカフェ大阪がオープンする際にイベントがあり、それに参加したのが最初でした。

その時に驚いたことがスタカフェは関西大学の施設にも関わらず、関西学院高等部だった僕を快く迎えいれてくれたことでした。

最初は「行っていいのかな…?」と恐る恐るだったのですが、むしろ誰でもWelcomeだったので、今でもずっと気軽に利用しています。

スタカフェ大阪のいいところ

ー 長安さんはよくスタカフェ大阪を利用してくださっていますが、長安さんの思うスタカフェ大阪のいいところはどこですか?

気軽に相談できるのがいいですね。

利用者同士もそうですし、「これどう思います?」くらいに気軽に話しかけられるところが魅力です。

今後の展望

ー 事業において今後の展望を聞かせていただきたいです

今後は、プログラミング事業にも力を入れていく予定です。

プログラミング教室を行う事業者を中心に「プログラミングロボット」を教材として展開していきます。

また、空きスペースやレンタルスペースのデッドタイムにプロジェクト教室を開催できるパッケージも考えているところですね。

 

長期的な展望ですが、海外のロボットを日本に輸入し、日本のロボットを海外に輸出していく技術商社のような仕組みも作って行きたいと思っています。

 

また今後も自社でロボットを開発することは考えていません。

これから、より多くの種類のロボットが出てくると思うのですが、お客様によって適切、不適切があると思います。

その時に自社ロボットを持たないからこそ、フラットな目線で課題に合ったロボットを提案できると思っていますし、それがロボットの普及には重要なことだと考えています。

 

リアル裏トーク

事業に失敗したら…?

ー すみません。スタートアップリアルお馴染みの質問で、みなさんが気になることをズケズケ聞いていきたいのですが、ぶっちゃけ事業に失敗したらどうします?

大学で勉強するか、もう一度、事業を立ち上げますね。

もちろんまたロボット事業に関わっていくと思います。ポジションを変えるか、業種を変えて挑戦していきますね。

ー ロボットは絶対なんですね(笑)

ロボット共生社会を創ることが僕のミッションですので、そこを譲ることはできません。

 

学業との両立は…?

ー 長安さんは起業家でありながら学生でもあると思うのですが、2つの肩書きを持っているからこその悩みなどはありましたか?

大学との両立は大変でした。両方中途半端にしたくはないし、でも学業に力を入れると事業のスピード感は落ちるし。

そこは正直悩んだところではあります。

そして悩んだ結果、今は潔く大学は休学しています。

 

周囲の説得

ー かなり若くしての起業だったと思うのですが、周囲からの反対はなかったんですか?

反対はありませんでしたね。

僕がサッカーで国体に出た経験もあったので、周囲の人は、大学でもサッカーを続けるものだと思っていたと思います。

 

僕自身も起業に関しては、誰にも言わずステルスに準備していました。

起業時の必要な書類を全て揃えてから「判子」といってお願いしたのが、親への最初の起業に対する意思表示でしたね。(笑)

 

本当に親、友人、先生にも話していなかったので、周囲からすると急展開に見えていたと思います。反対されなかったというよりも、そもそも反対される余地もなかったです。

 

起業家へのメッセージ

ー さいごに10代、20代でこれから起業を目指す人に向けて何か伝えたいことはありますか?

『人生で何をしたいか』『何のための起業なのか』が大事なんじゃないかと思います。

起業じゃなくて就職でできることをわざわざ起業でする必要もないと思いますし、『起業じゃないとできない』から起業する方がモチベーションも保ちやすいんじゃないかと思っています。

起業って一見華やかには見えるけど、実務は地味だし、やることも多いし、面倒くさいことも多いです。

その点サラリーマンの方が既に環境は整っているので、自分のやりたい部分に専念できることもあると思います。

それを踏まえた上で考えないと自分自身がしんどくなる。

 

だから『人生で何をしたいか』『何のための起業なのか』を最初に考えておくといいかもしれないです。

 

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