「他人と違うところはどこだ」今出圭、起業のリアル | スタートアップカフェ大阪

起業家インタビュー

2018.09.19

STARTUPREAL

「他人と違うところはどこだ」今出圭、起業のリアル

今出圭(イマイデケイ) 33歳 ー

東京の外国語大学でラオス語を勉強。卒業後は、6年間大手商社にて勤務。

ラオスに関する知識・情報を活かすために2017年9月にmiiRise(ミライズ)株式会社を設立。

会社員時代から、起業に向けてスタートアップカフェを利用してくださっていました。

ラオスに関する全般が事業内容

ー 現在はどういったお仕事をされているのですか?

「ラオスって聞いたことある? 」

ー (国としては)知ってます!

「ラオスのイメージっていうと何が思い浮かぶ?」

ー んー?…田舎ですかね?あまり出てきませんね。

「ざっくり言うとこういう状態を変えること。『ラオスっているとアレだよね』っていう状態を作って行くのが僕のミッションです。

具体的には、最近はラオスに進出する日本起業も少しずつだけど増えているので、それに関する全般的なコンサルティングを行ったりしてます。通訳紹介・翻訳とかから、テナント探し、現地マッチング、ラオス語のウェブサイト作りまでなんでもしますね。

今のはBtoBですが、BtoCではビアラオの営業したりしてます。ラオス人って東南アジアで一番酒飲みなんです。知ってました?で、そのラオス人たちが愛するビール、ビアラオって言うんですが、これがめちゃくちゃうまい!なので、一発流行らせようとビアラオ啓蒙活動中です。ほら、Tシャツもビアラオ(笑)」

ー 確か日本語⇔ラオス語のアプリも作っておられたりと思うのですが

「そうですね。もともと大学でラオス語を専攻していて、その中で2年くらいかけてラオス語日本語辞典を作りました。

で、それをサラリーマンしている時に、こっそりとiOSアプリにしてリリースしました。あ、無料アプリなのでこっそりする必要もなかったか(笑)

そのアプリが今でもAppStoreで『ラオス』と調べるとトップヒットするので、今はそこで自社広告を掲載しています。通訳要りませんか〜、ビアラオいりませんか〜って(笑)」

 

起業のきっかけ

ー もともと起業を考えられたきっかけは何かあったのですか?

「高校生の時から何かしたいな。という気持ちはありました。授業サボってお金稼ごうとして停学くらったり…ダメな学生ですね(笑)でも具体的に起業しようと考えたのは大学生時代です。

ただその時にはまだラオスで起業しようとは考えなかった。だって外国語苦手だから(笑)」

ー 外国語苦手なんですか?ではラオスで起業しようと考えられたきっかけは?

僕外国語自体にハマる人って意味わかんなくて。日常会話だけ話してて何が楽しいの?って思っちゃう。ひねくれてるんです(笑)でも社会人になってから、ラオ日辞典に結構反応があったり、知り合いから通訳の紹介を頼まれたり、ラオスに関わることちょいちょいあった。

そこで自分が他人とは違う武器になる部分はやっぱりラオスかな?って考えるようになって、ラオス関係で起業することを決めました。」

 

起業を決めて一番はじめにしたこと

ー 起業を決めて一番はじめにされたことって覚えていますか?

「会社に『辞めます』と伝えましたね(笑)」

 

ー 起業の準備よりに先にですか?(笑)

「会社員時代に準備はしていませんでしたね。

ただ会社を辞めて最初にしたのは、自身の人脈やリソースの棚卸しと整理でしたね。

いつどんなラオス関連のお仕事がきても対応できるようにしました。」

 

スタカフェ大阪を利用したきっかけ

ー 今出さん最初なぜスタートアップカフェ大阪に来られたんでした?

「最初にスタカフェに来たのはまだ会社員の時だったかな?

きっかけは、考えていた会社名が『ミライズ株式会社』なんだけど、近くに同じ名前の会社があるとまずいなーと思って調べてみたんです。

そしたら、スタカフェの入っている建物の名前がミライズで、一回みに行ってみよーって思って行ったのが最初ですね(笑)

そのときたまたま話したコーディネーターさんがオモロ賢くて20分くらい話し込んで、それから利用するようになりましたね。」

スタカフェ大阪のいいところ

ー 今出さんはもう何度も来ていただいていますが、今出さんの思うスタカフェ大阪のいいところってどこですか?

「それはやっぱりコーディネーター(相談員)さんかな。それに相談が無くても、雑談の中から色々なアイディアが出てきたこともあったんです。

豊富な経験をしている人がいるから、様々な角度の発想を貰えるのはここの面白いところだと思う。

あ、あとはコンセントが沢山あるところ!笑」

 

ラオスをブランディングする

ー 事業において今後の展望を聞かせていただきたいです

「今後、力を入れていきたいのはラオスのモノを日本で展開する事業です。ラオスの知名度を上げたいので、モノを通じてラオスというイメージそのものをブランディングしていきます。

自社でLAOSTOREというECサイトを作ったのですが、ここでこれからどんどんラオスのイイモノを紹介していきますよ。

さっき話したビアラオとかもそうです。

ビアラオを輸入している先見性の塊みたいな企業が日本に1社あるんですが、その会社と連携させてもらってます。本当にありがたいですね。」

※今出さん取扱中のBeerlao

 

リアル裏トーク

事業に失敗したら…?

ー すみません。スタートアップリアルなので、みなさんが気になることをズケズケ聞いていきたいのですが、ぶっちゃけ事業に失敗しちゃったらどうします?

「ラオス逃亡!(笑)

弊社は社内規定に副業というかやりたいことはどんどんしなさいって書いてて、今もカメラマンとかスマホセミナーとか、趣味の副業もしてるんですが、ラオス事業がダメになってもたぶんどれか芽を出していると思ってます。

でもそうですね、何かしらの理由で全部ダメになったとしたら、その時は会社員に戻るって選択もアリだと思ってます。

そこそこの大学出ていれば入れる会社があるのが良くも悪くも今の日本なんで、大卒ってそのための保険みたいなものじゃないですか。」

結婚後の起業…妻の反応は?

ー ズケズケついでにもう一つ質問なのですが、今出さんって確か奥さんがいらっしゃったと思うのですが、「起業する」って言ったときの奥さんから反対とかなかったんですか?

「どんどんやれー!って言ってくれましたね。(笑)

ただし期限付きです。二人で決めた期限までに軌道に乗せてくれればそれでいいよーって。『それまでは私が養う』と(笑)

もし軌道に乗らなかったら、安定してお金が入るようにだけしてね。と言われているだけで反対は一切なかったですね。」

 

これから起業する方へメッセージ

ー さいごに10代、20代でこれから起業を目指す人に向けて何か伝えたいことはありますか?

「大きく3つかな〜。

1つ目は、ちょっと注意的なことですが、好きなことだけで起業するのは危ないよ。

『好きなことで生きていく』みたいなキャッチフレーズが流行った時期があると思うんですが、あの言葉って人を惑わすなぁって。

僕はそれでうまくいくのは好きと得意が一致している一部の人だけだと思うんです。

好きなこと、社会の役に立つ(と自分が勝手に思ってる)ことで起業したい気持ちは分かるんですが、それが得意じゃないと自滅しがち。

社会の役に立つと言う意味では、得意なことを活かす方が社会貢献的です。

例えば自分の場合だと、僕はラオス語通訳は自分では絶対やらない…得意じゃないから(笑)でもお客さんの意図を汲み取って新しい提案するとか、ニーズに合うパートナーをマッチングさせるとか、そういったことはガンガンやります、こっちは得意なんで。

そういう意味で、自己分析とか客観視は大切。

 

2つ目は、社会人経験も役に立つよってこと。

僕は6年くらい会社員の時期があったけど、一回会社に入って、どうやって社会や会社が回っているのかを勉強できたのは大きいと思う。

特にBtoBだと、営業一つにしても何が大事になるのかもわかるし、仕事のできる先輩からスキルを盗むこともできる。

『3年限定で、スキルと仕組みを盗みながらお金を貯めるために会社員をする』くらいがちょうどいい。

でも3年もたないなら時間の無駄だから最初から就職はしない方がいい。なぜ3年かは話すと長くなるから割愛(笑)

 

3つ目。起業するなら大阪で。

いやこれ結構まじめにね(笑)僕関東出身なんで余計に感じるんだけど、大阪って関東より余裕がある。いや、赤信号は待てずに渡っちゃうんだけど(笑)でもじゃあ早く渡って何してるかっていうと雑談してて、そういう文化だから新しい話でもちゃんと聞いてもらえる。結果としてチャンスに繋げやすい!」

 

ー今出さん、お忙しい中ありがとうございました!

 

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