『ヴィーガンのハードルを下げる』工藤柊、起業のリアル | スタートアップカフェ大阪

起業家インタビュー

2019.11.14

STARTUPREAL

『ヴィーガンのハードルを下げる』工藤柊、起業のリアル

工藤 柊(クドウ シュウ)(20)ー

高校3年生でヴィーガンを実践開始。

大学入学後、ヴィーガンカフェの店長や、ブログ・Youtubeでの情報発信を経験。

2018年、大学を休学しNPO法人日本ヴィーガンコミュニティを設立。

設立後、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック 」事業や、イベント事業などをスタート。

「ヴィーガン」のハードルを下げることが仕事

ー 現在はどういったお仕事をされているのですか?

ヴィーガンを実践するハードルを下げるために、NPO法人で4つの事業を運営しています。

 

ー 「ヴィーガン」ですか。最近少しずつ耳にしますが詳しく教えていただけますか?

ヴィーガンは簡単に言うと、ベジタリアンの強いバージョンです笑
お肉や魚介類に加えて、卵や乳製品などを食べなかったり、中には革製品などの動物製品全般を避けたり、程度はありますが動物性のものを避ける考えやライフスタイルだと考えてもらえればと思います。

僕たちは、NPO法人のメンバー全員でお金を出し合い、運営に参加することでいくつかの事業を運営しています。
大きく分けると、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」や、ベジタリアンやヴィーガンへのインタビューをメインとしたウェブメディア「ひつじの。」、ホットドッグやタピオカなどをヴィーガン仕様で提供する「イベント事業」、食品メーカーさんの商品開発をサポートする「コンサルティング事業」の4つです。

起業したきっかけ

ー 起業を考えるきっかけは何かありましたか?

起業を考えるきっかけになったのは「一人の限界」を感じたことです。

日本だと馴染みのないヴィーガンやベジタリアンですが、実は欧米を中心にベジタリアンやヴィーガンを実践している人は増えており、スーパーや飲食店では普通にヴィーガン商品・メニューが提供されているんです。

一方で、日本でヴィーガンを実践しようとなると、スーパーで買えるものが少なかったり、行ける飲食店が限られたりと、本当に大変なことだと当事者として体感しました。

また、同じような生活を送る友人や知人も増え、彼らも同様の課題を抱えていると知ってから、日本がヴィーガンフレンドリーな社会に近づくように個人で活動を始めています。

例えば、大学食堂へのヴィーガンメニューの提案や、ブログやYoutubeでの発信、ヴィーガンカフェの店長など。

でも、個人や数人での活動では、日本全体が大きくヴィーガンフレンドリーに変わることは難しいと、1年近く活動をして痛感しました。

それから、一人ではなく多くの人が関わって力を合わせて社会を変えていこうと決意したので、「一人の限界」や「無力感」が起業のきっかけです。

ー 起業する上で株式会社ではなく、NPO法人を選ばれた理由はなんなんですか?

したいと思っていた事業はあったので、それをするための法人格をどうするかは色々なメリットデメリットを比較して考えました。

最終的に、NPO法人になったのは僕が大切にしたいと思っていた、「協同組合モデル」を実現するためです。

協同組合モデルとは、簡単に言うと「共通の課題を持つ当事者が、自分たちで協力して課題を解決する」という組織のことで、コープやJRなどがそうです。

ただ、ここは僕のこだわりなので、ヴィーガンが暮らしやすい社会を実現する可能性が高い場合は、株式会社を設立することもありえると思っています。

起業を決めて一番はじめにしたこと

ー 起業を決めて一番はじめにされたことって覚えていますか?

起業を決めて最初は、ひたすらヴィーガンやベジタリアンを実践する人とお話ししました。

元々の知人やそこからの紹介、SNSでアポを取るなど、関西でヴィーガンやベジタリアンの方60名と話をして、何が困っているのか・何を求めているのかなどを根掘り葉掘り聞いていましたね。

ある程度の課題感を掴めたら、アンケート実施し多くの方に拡散の協力をしていただき、当事者300名ほどの回答を集めることができました。

スタカフェ大阪を利用したきっかけ


ー 工藤さんがスタートアップカフェ大阪に来られたきっかけってなんでしたか?

スタートアップカフェ大阪でコーディネーターをしている友人から、イベントに誘われたことがきっかけでした。

当時は、拠点である神戸以外の地域で活躍している同世代の起業家やフリーランスの人と出会う機会がなかったので、参加してみたのがきっかけです。

スタカフェ大阪のいいところ

ー 工藤さんは毎週のようにスタカフェ大阪に来ているようですが、スタカフェ大阪のいいところって何だと思いますか?

スタカフェでは、同世代の起業家の友人はもちろん、経営者の先輩と出会うことができるのがいいところだと思っています。

今後、新しい事業を始めようと思った時に、気軽に相談できたり悩みを打ち明けられる環境があるのは、石橋を叩きたい性分の僕には本当にありがたい場所です。

今後の展望


ー 事業において、今後の展望を聞かせていただきたいです。

まずは、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」の機能を完成させ、「ヴィーガン料理・レシピといえば」というポジションを確立させます。

その後、レシピ以外の情報はもちろん、実際に形あるモノを扱う事業もしようと模索中です。

長期的には、ヴィーガンを実践したい人が感じる物理的・精神的ハードルを解消し、誰でも簡単に楽しくヴィーガンを始められる社会に必要不可欠な、商品を生み出していくために動き続けたいですね。

リアル裏トーク

事業に失敗したら?

ー すみません。スタートアップリアルお馴染みの質問で、みなさんが気になることをズケズケ聞いていきたいのですが、ぶっちゃけ事業に失敗しちゃったらどうします?

例えば、今の「ブイクック」事業に失敗したら、他のヴィーガンの課題に取り組みたいですね。

その失敗の理由にもよりますが、他の企業に入ってみたり、自由に田舎暮らししてみるのにも憧れてます笑

ただ、やっぱり同じ思いを持つ仲間と仕事をしていきたいので、同じような仕事をするんだろうなと思います。

「一番リスクない僕がやるのがいい」

ー 大学を休学して起業されたようですが、最初に悩んだりはしなかったですか?

もちろん悩みました。

当事者の僕はもちろん、今コミュニティメンバーになってくれている人も、課題を抱えていて、それを解決したいと考えています。

ただ、社会人のヴィーガンやベジタリアンの人が事業を始めるとなると時間や労力がかかるのはもちろん、大きなリスクになる。

一方で僕は大学生であり、失敗しても他のことに挑戦できるし、学校に戻って就職することもできる。

それなら、一番リスクのない僕が先陣切ってやっていくのがいいという風な考えで、今まで続けています。

これから起業する方へメッセージ

ー さいごに10代、20代でこれから起業を目指す人に向けて何か伝えたいことはありますか?

まだまだアドバイスできるような立場じゃないですが、僕が事業を起こしたいと思った原点は「困っている知り合いが笑顔で生きられる社会にしたい」という気持ちでした。

もちろん、これが起業のきっかけの全てではないと思いますが、まずは目の前にいる困っている人を助けるところから始めるのがいいんじゃないかな、と思います。

何はともあれ、同じように若い仲間が増えるのは嬉しいです。「仲良くしてください」、と伝えたいです。

ー 工藤さん、貴重なお話ありがとうございました!

 

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