サブスクリプションビジネスって?従来型のビジネスとの違いやそのメリットを解説!! | スタートアップカフェ大阪

起業コラム

2020.08.14

サブスクリプション

サブスクリプションビジネスって?従来型のビジネスとの違いやそのメリットを解説!!

こんにちは!

スタートアップカフェ大阪コーディネーターの伊藤です。

 

普段わたしがスタートアップカフェで起業相談に乗っている中で、

「マネタイズについてはサブスク型で〜」

と構想されている方が一定割合でいます。

 

“サブスクリプション”

たしかに、

よく耳にするし、

世界的な有名企業の多くがサブスクリプションサービスを提供しているし、

継続的に収入が入ってくるって精神的にも楽そうだし、

メリットばっかりのような気もします。

 

ただ、こうしたサブスクリプションの良い部分・表面的な部分ばかりが独り歩きしてしまっている印象がぬぐえないので、

今回の記事では上述したようなサブスクリプション型ビジネスの“旨味” の部分だけでなく

・前提として押さえておくべき考え方

・気をつけなければいけない点

なども含めまとめていきたいと思います。

それでは早速どうぞ!!

 

サブスクリプションって?

そもそもサブスクリプションという言葉は英語の

“Subscription”

から来ていて、その意味するところは『定期購読』『予約講読』です。

つまり、特定の商品・サービスに対して定期的にお金を払うことで商品を利用・サービスを受けることができるモデルのことをサブスクリプションというわけです。

 

有名なところでいうと、

・Amazon社が提供する【Amazonプライム】

・Apple社が提供する【Apple Music】

・Zoomビデオコミュニケーションズ社が提供する【Zoom】

など。

 

買い切り型の従来ビジネスとは異なり、料金を支払っている限りサービスやソフトウェアのアップデートがあった際には追加費用などが発生することなく自動で更新されていく、という特徴があります。

 

“シェアリングエコノミー”という言葉が流行って久しいですが、

【モノを所有する時代】から【モノを利用する時代】へと消費者意識が移行している現代において、

必要なときに必要な分だけ課金して、常に最新のサービスが受けられるサブスクリプション型のサービスは消費者にとって非常に受け入れやすいものであると言えます。

 

従来のビジネスモデルとどう違うの?

ここからは、従来の買い切り型のビジネスと比較してサブスクリプションビジネスがどう違うのかをいくつかの観点から見ていきたいと思います!

顧客接点の変化

まず一つ目は顧客接点の変化。

こちらは従来の顧客接点のあり方を示した図になりますが、購入がゴールに設定されているため、消費者に購買行動を取ってもらうために

・web広告

・SNS広告

・動画広告

・メディアサイトの運営

などが中心となります。

ここでのポイントは、顧客と継続的に接点を持つのが購入前のフェーズである、という点です。

一方こちらがサブスクリプション型の場合の顧客接点の模式図です。

従来型と同様購入に至る前の顧客接点はありますが(図では省略しています)、サブスクリプション型の場合はむしろ初回の購入が行われてからが本当の顧客接点の始まりです。

実際にサービスにお金を払ってもらっている状態で継続的な接点を持てるため、サービスの利用データなどと照らし合わせながらサービスの改善・最適化を行うことができるんです!

先ほど述べた「サービスのアップデートが自動で反映されていく」という点はこうした顧客接点上の特性があって初めて成立するものになります。

 

ターゲット拡大の可能性

これはサブスクリプションだけに限らず商品をリースするようなビジネスモデルにも当てはまることにはなりますが、

従来型とサブスクリプションの大きな違いは課金形態にあります。

従来はサービス購入のタイミングで一括で費用を支払うことが多かったのに対し、サブスクリプションの基本は少額をこつこつと支払っていく形です。

 

従来型と比較して初期費用が圧倒的に抑えられることにより幅広い消費者層に対してサービスを利用してもらえる可能性が高まったと言えるでしょう。

 

例えば筆者の場合、

自宅にコーヒーマシンを購入して設置することに憧れてはいたものの、マシンの購入には数万円はかかりそうだったので断念していました。

しかし現在はコーヒーマシンのサブスクリプションサービスを利用することで、月額¥1,000程度で毎日おいしいコーヒーを楽しんでいます!

(2,3年も経つと結局マシンを購入した方が安上がりにはなっていきますが…)

 

このように、買い切り型だとなかなか手が出しづらいけどサブスクリプションに変わって初期費用が削減されたことで手を出してしまった、、皆さんも似たような経験があるんじゃないでしょうか?

逆に事業者側からすれば、従来よりアプローチできるターゲット層が広がったということに他ならないので、ビジネスチャンスが広がったと言えます。

 

事業計画の変化

サブスクリプションビジネスにおける事業計画は、従来型ビジネスの事業計画とは根本的に異なるものになってきます。

なぜこのような違いが発生するんでしょうか?

 

従来型ビジネスの商品販売の様子を考えると、

年度の始めに1年間の目標が発表され、社員はその目標を達成すべく月々の目標を定め、それに基づいて販売計画や営業活動を行っていきます。

月によっては目標を達成することもあれば達成できないこともあり、売上が最終的にいくらになるかは1年間が終わってみてはじめて分かるものです。

売上予想についても年度の始まりに描いたものはあまり正確ではなく、ある程度の精度で売上が予想できるようになるのは第4四半期に突入してからくらいではないでしょうか?

 

一方のサブスクリプション型ビジネスの商品販売の様子を考えると、

年度の始めに何人の有料会員がいて、毎月何人の新規の有料会員登録があるか、毎月何人の解約があるか、といった簡単なデータさえあれば、その1年間のおよその売上予想がたってしまいますよね?

その1年間で稼ぐ売上の大半が保証されている状態で1年間のビジネスが始まるわけです。

 

これは本当に大きな違いで、誰しもが後者のスタイルで気持ちに余裕を持ってビジネスに臨みたい!と思うのもうなずけます。

そして、これだけ事業のあり方が違うからこそ事業計画の立て方・損益計算書の書き方も違ってくるわけです。

 

サブスクリプションビジネスの事業計画のいくつかのポイントをお伝えすると、

・単発の購買行動による売上とサブスクリプション契約に基づく(=長期的な収益が見込める)売上は全く価値が異なるものなので区別して考える

・顧客生涯価値を高めることが重要になるので、顧客体験の価値向上に繋がるような計画を長いスパンで考える

・解約率を重要指標として認識し、解約率を低下させるための施策を計画する

などがあります。

サブスクリプションビジネスに最適な損益計算書の書き方などもあるのですが、それはまたの機会にご紹介できればと思います。

 

気をつけるべき点

先ほどまで説明してきた従来型ビジネスとサブスクリプションビジネスの3つの違い。

これらを踏まえて、サブスクリプションビジネスを始めるに当たって気をつけておくべきポイントを整理してみたので参考にしてみてください!

サブスクビジネスは永遠のβ版である

サブスクリプションビジネスは、顧客が利用し続けてくれる限り顧客の利用データなどに基づいて常に顧客体験の改善や新たな体験の提供をし続けなければなりません。

一度サービスが収益的に回り始めたからと言ってそこでサービスの改善を止めたら、顧客は正直なのであっという間に他サービスに乗り換えられてしまうでしょう。

顧客とのコミュニケーションを大事にして、常に顧客が求める体験を提供し続けることがサブスクビジネス1つ目のポイントです。

その意味で、サブスクリプションビジネスは完成がない、すなわち永遠のβ版である、と言えます。

商品の分割販売とは根本的には異なる

先ほど「ターゲット拡大の可能性」で述べたことだけにとらわれてしまうと、サブスクビジネスとは分割で料金を支払ってもらうことで購入のハードルを下げるものである、という勘違いが生まれてしまいます。

1つ前のポイントでも述べたように、サブスクビジネスの真髄は顧客との継続的なコミュニケーションに基づく最適な体験の提供にあります。

サブスクビジネスを商品の分割販売と同じものとして捉えないこと、これが2つ目のポイントです。

長い時間軸の中での経営計画が必要

最後のポイントは、あまり近視眼的になりすぎないことです。

サブスクビジネスは、従来のビジネスと比較して収益予測を非常に簡単に行うことができます。

年初にその年の売上の大半が確定しているという強みを最大限に生かして、目先の利益を追うのではなく中長期的に顧客価値が増大するような計画の立案、施策の実施を行ってみてください。

 

まとめ

今回は少し長めの記事になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

この記事を読む前に思い描いていたサブスクリプションビジネスのイメージが少しは変わりましたか?

 

本記事の情報が、サブスクリプションビジネスに興味がある、これからサブスクリプションサービスを作ってみたい!と思っている方にとって少しでもお役に立てば幸いです!

スタートアップカフェ大阪では、サブスクリプションビジネスだけでなく、幅広く起業に関する相談を受け付けているのでぜひ下記から相談予約をしてみてくださいね。

それでは!!

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