起業コラム

2021.04.01

200人超の起業相談に乗って思ったこと

こんにちは!
スタートアップカフェ大阪コーディネーターの伊藤拓也です。

この度1年半勤めたスタートアップカフェ大阪コーディネーターを卒業することとなりました。
スタートアップカフェ大阪の皆さん、この1年半で相談に乗らせていただいた200名ほどの相談者の皆さん、本当にありがとうございました。

今回は、この1年半自分がコーディネーターとして在籍して考えたこと、感じたことをつらつらと綴ってみたいと思います。
これから起業をしたい、と考えている方へのメッセージ的な側面もあるのでぜひ最後までご一読ください。

自己紹介

改めまして、スタートアップカフェ大阪コーディネーターの伊藤拓也です。
実はスタートアップカフェ大阪のホームページやパンフレット等でちょこちょこ顔出ししているので、会ったことはなくても「なんか見たことあるかも」という人もいるはず(?)

普段は京都でArchiTech株式会社(https://architech.co.jp)という建築系スタートアップを経営していて、『愛される建築を、テクノロジーの力で』をビジョンに掲げ、建築業界のIT化を促進すべく日々活動しています。

スタートアップカフェ大阪には2019年の8月からコーディネーターとして働き始め、気づけば1年と8ヶ月が経過していました。働き始めたきっかけは僕の友人でもある前任のコーディネーターからの「スタートアップカフェのコーディネーター辞めることになったから、伊藤くんやってみない?」の一言。

それまで自分自身いちスタートアッパーとして、いくつかの起業家支援プログラムに参加して多大なるサポートを受ける中で、自分も早くもらうばかりではなく与える側に回りたい、と思うようになっていたのですぐさま話を受けることにしました。

そこから早20ヶ月。200人を超える方の起業相談に乗らせていただきました。
たくさんの方からいろんなアイデアや悩みを聞かせていただき、アドバイスをさせていただくことで僕自身も多くのことを学ばせていただきました。
僕に相談しに来てくれたすべての相談者の皆様、本当にありがとうございました。

200人の起業相談に乗ってみて

ここからは、多くの人から共通でいただいた質問、そこから見えてきた陥りがちな考えをいくつか紹介したいと思います。同様の思考に陥っている方はぜひ参考にしてみてください。

まず何から動いたらいいですか?

この質問が一番多かったように思います。この質問が出てくる方に必要なのは、まず何から動いたらいいかを考えて導き出す力です。
「それがわかったら苦労しない」という声も飛んできそうですが、起業したら常に「次はなにをするか」を自分の頭で考え続けなければなりません。上司はいないので、教えてくれる人もいません。
本当に困ったときには外部の頼れる人に相談する場合もありますが、毎回毎回相談できる環境はまずあり得ないので、基本的には自分で思考して、自分で動く必要があります。
そして、その自分の思考に自信を持てなければ動く際に迷いが生じます。

だから、自分が自信を持って「次に自分が取るべきアクションはこれだ」と導き出せる能力は起業人生の中で常に必要になります。
「まず何から動いたらいいですか?」と聞きたくなった時には、「まず何から動いたらいいかを自分で考えられるようになるにはどういうふうに思考したらいいですか?」と聞いてみましょう。

こんなアプリを作りたいんですけど、どうしたらいいですか?

(必ずしもアプリとは限らないので、適宜読み替えてください。)
この質問のように最終的に目指すゴールの形が明確であっても、そのゴールが遠すぎてまず何から始めたら良いか分からなくなっている方の話をたくさん聞きました。

このタイプの方はアプリというサービスの形式にとらわれていることが多いのですが、アプリというのは問題を解決するためのいち手段にすぎません。そして、問題解決の手段の中でもお金と時間がかかるタイプの手段です。

最終的に目指すゴールを持つことは重要ですが、いきなりその理想形に向かっていくことはリスクが高かったり、実現に向けてのアクションを想像するのが難しかったりするのであまりオススメしません。
そんな方がまずやるべきは、そのアプリを通して「誰のどんな課題をどのように解決したいのか」を突き詰めて整理することです。
そして実際にその課題を抱えているであろう人に「あなたの抱えているこの課題をこのように解決しようと思っているんですけど」とヒアリングしてみてください。

もしかすると、
・そもそも課題が存在しなかった
・課題は合っていたが、自分の考えていた解決策はピンとこなかった
などの発見があるかもしれません。
サービスを作り始める前にまずこのすり合わせを行っておくことで、時間もお金も大幅に節約することができます。

そしてヒアリングの次にやるべきことは、一番お金と時間をかけない形で、その課題を解決する手段を用意することです。
それを実際のユーザーに使ってもらって意見を吸い上げながら、サービスの本質部分を磨いていきます。
こちらについては、下記の記事も参考になるでしょう▼

サービスの本質が固まり、「解決すべき課題」と「その解決方法」が明確に定義できた段階ではじめてリスクを負う価値が出てきます。
ここまで進んで始めてアプリ開発に臨むのが理想的な形だと僕は思っています。

やりたいことはあるけどお金が足りません

この質問をする方の多くが「何にいくら必要で何円足りないのか」を言えない状態でした。
お金が足りない場合に取れる選択肢は、
・お金をかけずに実行する方法を模索する
・別の事業を始めてまずお金を作る
・金融機関や投資家から資金調達する
・クラウドファンディングで資金を集める
などです。
ただ、いずれにしてもそもそもいくら足りないのかが分からない状態ではどの選択肢をとっても良い結果にはなりづらいでしょう。

まずは、今自分がやりたいことを実現するためには何が必要かをリストアップし、それぞれにいくらかかりそうかを調べてみましょう。
リストアップしていく中で「人を雇うのにお金がいるが、具体的にいくら必要なのかが分からない」のように個別の項目について調べても分からないことがあれば、それを経験者等に聞いてみたら良いのです。

そうして各項目の必要金額を導き出すことでトータルでいくら必要で、いくら不足しているのかを知ることができます。
これが見えて始めて上述のどの選択肢が最適かを考えることができるようになります。

お金が足りない、と考えている方はまずは自分なりにコストがかかる要素を整理、個別に必要な金額を洗い出してみましょう。

いま起業を志している人へ

起業家がなんだかすごい人に見えて、挑戦したくても気が引けてしまう方

起業家も人間です、大半の人は「すごい人に見せるのが上手い」か「すごい人に見られる必要があってそう振る舞っている」のどちらかだと思っています。
ある程度会社として大きくなっていたり、メディアからの取材がある場合には、ブランディングのためにもきれいなストーリー、優れた実績を語る必要があります。そこでは泥臭い話、苦労話が語られることはあまり多くはありません。
また、どれだけすごそうに見える人でも、一番始めからすごかったわけではありません。(例外はあるかもしれませんが…)

なので、もしあなたが「起業したいけど自分なんかが…」と思ってしまっているとしたら「起業家はすごい人がなるもの」という思い込みを外してみてください。

自分は起業に向いているのか?と悩んでいる方

一つ前の話とちょっと似ているかもしれませんが、上記のような質問をいただくことも度々ありました。
僕自身、普段いち経営者として活動する中で世の中のたくさんの経営者の方と出会い、話をさせていただきます。
思うことは、全員違う、という当たり前のこと。

「起業家になる人はこんな人間だ」というような理想像があるわけではなく、きっとみんなそれぞれ自分に合った経営スタイルを見つけていっているんだと思います。
なので、もしあなたが「起業したいけど、自分は向いているのかな…」と思ってしまっているとしたら「起業に向いている人物像など存在しない」と考え方を変えてみてください。
大事なのは、「起業に向いているか」ではなく「自分のやりたい、やろうとしている会社に向いているか」です。

最後に

ここまで、起業するか悩んでいる方に向けて後押しするようなメッセージを書かせていただきました。
ただ最後に忘れないでいただきたいのは起業は手段であって目的ではないこと、ということ。やりたいことを実現する手段の中では非常にリスクが高い手段である、ということ。
そして、その分リターンが大きい手段である、ということです。

自分の中で、多少のリスクを背負ってでもやりたいと強く思えることがある、解決したいと思う課題がある、そんな方がその思いを実現する、課題を解決するために起業という手段が存在しているということを忘れないでください。
先ほど「起業に向いている人物像など存在しない」と書きましたが、唯一「起業を手段と思える」人は起業に向いているんじゃないかと個人的には思っていたりします。

僕はスタートアップカフェ大阪を卒業しますが、他にも素敵なコーディネーターが在籍しているのでいつでも遊びにきてみてください!それでは!!

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