【スタートアップの雇用事情】あなたの会社に最適な雇用の仕方はどれ!? | スタートアップカフェ大阪

起業コラム

2019.12.14

チームビルド

【スタートアップの雇用事情】あなたの会社に最適な雇用の仕方はどれ!?

こんにちは!

スタートアップカフェ大阪コーディネーターの伊藤です。

 

起業して、事業を大きくしようとすると誰もがぶつかる壁。

それは組織づくりです。

 

外に出て様々な人と出会い、対話を重ねていく中で一緒に動いてくれる仲間が見つかった!

さて、そんな時経営者であるあなたが取るべき行動はどれでしょう?

・業務委託契約を結ぶ?

・雇用契約を結ぶ?

・役員として入ってもらう?

・あるいはそれ以外の選択肢??

 

仲間を見つけるまでは気合いと熱量でなんとかなったりするものですが、実際にどういう枠組みで仲間になってもらうか、は気合いでどうにかなるものではありません。

法律上の制約や、会社とメンバーそれぞれのメリットのバランスなども考え合わせながら慎重に吟味しなければいけない問題です。

 

今回の記事では、スタートアップに新しくメンバーを入れる際にはどのような選択肢があり、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか等を紹介していきたいと思います!

 

組織づくりと同様に大切になってくるのが組織形態。こちらの記事では様々な法人形態について解説しているので、合わせてご覧ください。

概要

まずは仲間を引き入れる際にはどのような選択肢が存在するのかを見ていきましょう。

名称 分類 契約形態
役員 取締役 委任契約
会計参与
監査役
従業員 正社員 雇用契約
契約社員
派遣社員
アルバイト・パート
外注 外注 業務委託契約

 

上の表を見ると、

・役員(委任契約)

・従業員(雇用契約)

・外注(業務委託契約)

の3パターンに分類されることが分かります。

また上の表の「役員」の項目の中の「会計参与」「監査役」と、「従業員」の項目の中の「派遣社員」がスタートアップの選択肢に入ってくることはあまりないと思われますので以下ではこれらは除外して考えていきたいと思います。

 

メンバーの加入方法の決定の流れは、

①契約形態の選択:3つの契約形態のうちのどれかを選択

②(従業員を選んだ場合)雇用形態の選択:雇用契約の中でどのような形態を取るかを選択

になります。

意外とシンプルですね!

 

また、いずれの選択においても

・会社にとってのメリット/デメリット

・メンバーにとってのメリット/デメリット

を整理して天秤にかけながら判断をしなければならないことに留意してください。

 

契約形態の選択

委任契約(役員登用)

まず前提として、役員は会社の従業員ではありません

従業員ではないということは雇用契約は結ばないし、就業規則等の適応もなければ労働基準法にも守られないんです。

役員は「労働」に対してではなく、「会社の方針決定や組織管理」に対して報酬をもらう役割にあります。

 

ということは労働時間による縛りなども無く、極論を言えば会社に一切出社しなくても(会社の業務が回る体制さえ整っていれば)報酬がもらえる立場にいるわけです。

とにかくリソースの足りないスタートアップ目線で考えると、逆にどれだけ働いたとしてもどこからも文句を言われない、ということにもなります。

こういったことも踏まえて、メンバー・会社それぞれにとってのメリット・デメリットをまとめてみました。

メリット デメリット
メンバー 新メンバーとは言え役員の肩書きを持つので、対外的な信頼が高まる 雇用保険に入れない

個人の社会的信用が低い(ローン等が組みづらい)

会社 労働についての制約を気にしなくて良くなる

雇用保険による出費を免れることができる

会社にとって重要なポジションなので、人選を間違えると組織にとってマイナスに働く

役員としての登用はどちらかという会社側にとっての利が大きく、メンバー個人にとってはリスクの大きな選択と言えるのではないでしょうか?

役員として迎え入れたい場合はそのメンバーに対してこうしたリスクもしっかりと伝え、それでも役員として入りたいという熱意を持ってもらえるのかを真剣に見極める必要があるでしょう。

雇用契約(従業員として雇用)

誰しもまず思い浮かべる選択肢ですね!

ただ、立ち上げたばかりのスタートアップからすると手続き面であったり費用面であったりで何かとややこしく、調べれば調べるほど世の企業はすごいな、、と思うわけです。。

ではまた表を見ていきましょう。

メリット デメリット
メンバー 福利厚生がしっかりしている たくさん働きたい!と思っても会社都合で労働時間を制限される場合がある
会社 キャリアアップ助成金などを活用することができる 社会保険や雇用保険など、多くの手続きやコストが発生する

長時間働いてもらいたい場合には残業手当や休日出勤手当などが発生する

雇用契約のパターンは役員登用とは逆にメンバー個人にとっての利が大きく、会社側にとってはリスクの大きな選択と言えそうです。

雇用によって発生する費用面はある程度助成金等で相殺できますが、保険関係の手続きから社員の勤怠管理、源泉徴収、年末調整などとにかくやらないといけない業務が増えるのは時間が命のスタートアップにとっては大きな痛手でしょう。

社労士さんを雇うなり、事前に雇用に関する相談ができる施設に行くなどしてみるのが良いかと思います。

 

ちなみに、大阪であればグランフロント北館8階にある雇用労働相談センターで無料で雇用に関する相談に乗ってもらうことができるので、行ってみてはいかがでしょうか!?

業務委託契約(外注先として提携)

最後の選択肢である業務委託契約は、会社の一員としてではなく外部パートナーとして仲間になってもらう方法になります。

多くの場合、その仲間には個人事業主になってもらい、そこと取引をするという形になります。

私の周りにいるスタートアップを見ていると、立ち上げ初期はこの形態をとる企業が多いように感じています。

メリット デメリット
メンバー 会社に雇用されているわけではないので、個人事業として他の仕事を受けることも可能でリスクヘッジができる。

(※契約内容によります)

個人事業主になるため、自己責任で様々な手続きを行わなければならない。

(事業主申請、保険関係など)

会社 社内のメンバーとして扱わなくて済むため、手続き・コストの削減になる

振る仕事がない時は報酬を支払わなくて済む(※契約内容によります)

他2つと比較してメンバーとの繋がりが薄くなるため、モチベーションやコミットメントの維持に気を遣う

業務委託契約の場合、会社・メンバー双方に明確なメリットがあり、多くのスタートアップがこれを選択するのも頷ける気がします。

最近は雇用という形式にとらわれず、外部パートナーと必要に応じて協業するスタイルで成長する会社も見かけるようになりましたね!

 

雇用形態の選択

先ほども書きましたがメンバー加入の意思決定の流れは、

①契約形態の選択:3つの契約形態のうちのどれかを選択

②(従業員を選んだ場合)雇用形態の選択:雇用契約の中でどのような形態を取るかを選択

の2ステップです。

先ほど説明した内容を踏まえて①を行っていただき、雇用契約を選択された場合はこの節の内容も参考にしてみてくださいね。

正社員

期間の定めがない雇用契約で、フルタイムの労働時間での勤務を行う従業員を指します。

例によって、従業員/会社双方のメリット/デメリットをまとめるとこんな感じ。

メリット デメリット
従業員 社会保険や福利厚生がしっかりしている 異動や転勤の可能性

就業規則によって働き方をきっちり決められてしまう

会社 会社にとって都合の良いように働き方を定めることも可能 社会保険や雇用保険など、多くの手続きやコストが発生する

契約社員

労働契約にあらかじめ雇用期間が定められている従業員を指します。(契約期間は最長で3年以下)

契約の更新については双方の意思次第です。

メリット デメリット
従業員 転職を繰り返してのスキルアップや、まとまった休暇を取るなど自由度の高い働き方を実現可能 長く勤めたい職場であっても、会社側の契約更新意思がない限り継続ができない

社会的に信用性の少ない立場に見られやすい

賞与や退職金がもらえない場合が多い

会社 キャリアアップ助成金などを活用することができる 良い人材であっても本人の意思次第で長期の雇用ができない

アルバイト・パート

まず、世間的にはアルバイト=学生、パート=主婦というイメージがありますがこの両者の定義上の違いはありません。

正社員と比較して、短い労働時間で働く従業員を指します。また、その働き方についてはいわゆる「シフト制」が取られる場合がほとんどで、曜日や時間帯を雇用者、労働者が相談の上決める形となります。

メリット デメリット
従業員 契約社員よりも更に自由度が高い 社会的信頼や福利厚生の面で不利になりやすい

責任ある仕事をなかなか任せてもらいづらい

会社 単純作業や正社員・契約社員の補佐業務などが多く発生する企業にとってはありがたい存在 情報共有がしづらく、責任ある仕事は任せづらい

会社への帰属意識を養いづらい

ちなみに社会保険、雇用保険に関して言えば、アルバイト・パートであっても条件さえ満たしていれば加入することができます!

自分の働き方が加入の条件を満たしているのかどうか、気をつけてみてください!(この辺りもまた記事にするかもしれないので、気長にお待ちください!)

 

まとめ

当たり前ですが、こうやって改めてまとめてみるといかに法人と個人の利益が相反しているかがよく分かりますね。。

スタートアップに限らず、経営者なら誰しも頭を悩ませる組織づくり。

法人にとっての利益の追求と個人にとっての幸福の追求

この2つを双方の声を拾い上げながらバランスを取りつつ最大化できるよう努力し続けることが必要なんじゃないかな、と思います。

 

こうした組織づくりについてもお悩みのことがありましたらいつでもスタートアップカフェ大阪にお越しください!

それでは!!

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