あなたに最適な第一歩の踏み出し方とは? – 「起業」の選択肢 | スタートアップカフェ大阪

起業コラム

2019.12.14

会社設立

あなたに最適な第一歩の踏み出し方とは? – 「起業」の選択肢

こんにちは!

スタートアップカフェ大阪コーディネーターの伊藤です。

 

僕は普段スタートアップカフェ大阪で「起業したい!」という熱い思いを持っている方からの起業相談に乗っているわけですが、その中で一番多いのは

「◯◯がやりたくて起業したいと思っているんですけど、何からしたら良いか分からなくて!」

というものです。

 

確かに起業という言葉を聞くと、

「何か特別な手続きが必要そう」

「すごくしんどくて、大変なことに違いない」

というイメージがありそうです。

 

ただ、上の相談も

「あなたは◯◯がやりたいんですよね?起業するには、ではなくてやりたいことを実現するためには何からするのが良いと思いますか?」

と問いかけると意外とスラスラ答えが返ってくる場合もあるんです。

 

「起業」という言葉はパッと聞くと「カッコ良い」「キラキラしてそう」という印象を抱かせ、真剣に検討し始めてみると必要以上に人を尻込みさせてしまう効果があるんじゃないか、と思っています。

そこで今日は「起業」という言葉の定義を紐解きつつ、やりたいことを実現するためにはどんな選択肢があるのか、それぞれの選択肢ごとにどれくらいの手続きだったり危険性が存在するのか、といった内容を記事にしていきたいと思います!

 

「起業」という言葉の定義

辞書的な意味は「新しく事業を始めること」だそうです。

そこには「会社を設立すること」とか「事務所を構えること」とか「この手続きを踏むこと」といった条件はどこにも書かれていません。

事業なので、ボランティアではなく提供する商品・サービスの対価としてお金をもらうという点さえクリアしていればどんな形であれ「起業」になるんです。

 

例えば、

週末にレンタルキッチンを借りて料理を出して代金をいただく、これだって立派な起業です。

海外旅行に行って現地の特産品を買い付けてきて日本で少し値段を上げて売る、これだって立派な起業です。

自分の好きなことについて情報発信をするブログサイトを運営して広告収入を得る、これだって立派な起業です。

 

そう考えると少し起業というもののハードルが低くなったように思いませんか?

 

ただ、強いて言うなら辞書的な定義に付け加えて「こんな課題を解決したい」「こんな世の中を実現したい」と言う思いがあるかどうか、そしてその思いと事業内容がリンクしているかという点は個人的には重要かなと思ったりもします。

 

起業の選択肢

ここまで起業するには形式的・手続き的なことはあまり重要でない、ということを書いてきました。

とはいえ実際問題、何か事業を起こすなら事業主体や事業名を決めてそれを届け出る、と言った手続きは発生します。

以下では起業をするにあたってどのような形態が選択肢として存在するのか、を紹介していきます。

法人設立

まず起業と言った際に一番に思い浮かべるのはこれではないでしょうか?

ただ、起業の選択肢としては手続きの大変さ、リスクの大きさを見ても一番しんどい起業方法になります。

手続き

★★★★★

法人を設立するためには事前に様々な書類を用意する必要があります。

また、提出書類のうちの「会社の定款」などについては自分で作った後に公証役場というところに行って認証手続きをしてもらう必要があります。

書類の数は多いし、届け先の役所も法務局・税務署・市税事務所・県(府)税事務所と多岐に渡ります。

設立までに準備期間含め1ヶ月程度かかるケースが多いようです。

更には会社設立後も人を雇う、保険をかける、税務申告を行う際など、その都度膨大な事務作業が発生することになります。

リスク

★★★★★

会社を設立するにはだいたい20~30万円ほどの費用がかかります。

また、上述した設立後の手続きを行うのに税理士さんや社労士さんを雇う、事務員さんを雇う、などの費用が継続的に発生することになります。

設立直後はこうした出費は痛手となる場合が多く、大きなリスクをはらんでいると言えます。

その他

ここまで法人設立のマイナス面ばかり書いてきましたが、最後にメリットも紹介しておきたいと思います。

メリットの1つ目は「信頼性」です。やはり株式会社◯◯、と名前がついていると「ちゃんとした企業」というイメージがつき取引の際に変に不信感を抱かれることも少なくなります。企業によっては、後述する個人事業相手には取引をしない、と定めているところさえあります。

メリットの2つ目は「節税」です。これは会社の利益にもよりますが、一定額以上の利益が出るようになると個人事業として活動するより法人化した方が支払う所得税が少なくなります。

 

ここでは株式会社を例に挙げて述べていますが、実は法人には株式会社の他に合同会社や一般社団法人、NPO法人など様々な形態が存在しています。

▼様々な法人形態についてはこちらの記事で解説しているので是非ご覧ください

個人事業(=フリーランス)

次によく聞く言葉としては「フリーランス」が挙げられそうです。

「フリーランス」は少しふわっとした言葉(法務上、税務上使われる言葉ではない)なので、ここでは「個人事業」「個人事業主」という言葉を使おうと思います。

これは法人設立と違って、その名の通り個人の名前において事業を営むということになります。

0から始める、元手があまりない中で事業を始める、という方には法人設立よりもオススメの方法になります。

手続き

☆☆☆☆

法人の設立と比べると、個人事業の設立に必要な手続きは極めてシンプルです。

最低限必要なのは管轄の税務署に提出する「開業届」(正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」)のみです。手続きにお金がかかることも無く、思い立ったその日に起業することが可能です。

他には任意で提出できる「青色申告承認申請書」(税制面で優遇してもらえる)や「源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書」(徴収した源泉所得税の納付手続きを簡便化できる)などがありますが、これらも一括して管轄の税務署に出せるので、全てまとめても1日あれば事足ります。

リスク

★★★☆☆

設立に必要な時間やお金が法人設立と比べてかなり限定的なため、リスクも当然少ないです。

スタートアップカフェ大阪の起業相談においても、これから事業を立ち上げる方に対しては特段の理由がない限り法人設立よりも個人事業主として開業することを勧めることの方が多いです。(もちろん法人設立したい、法人設立の方が有利に働く、と言ったケースの方にはそちらのアドバイスも行なっております!)

その他

手続き、リスク共に法人よりも気軽に始められる個人事業ですが、デメリットももちろんあります。

法人のメリットの裏返しにはなりますが、「信頼を得づらい」「ある程度売り上げが立ってくると支払う税金が法人よりも高くつく」と言った点がデメリットになります。

 

開業手続きに関してはこちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

副業・複業

少し切り口は異なってしまいますが、起業する際の始め方としては(個人事業、法人設立問わず)いきなり独立してそれ一本でやっていく方法以外に副(複)業という形でリスクを抑えつつ始める方法もあります。

既に何かしらの職についている方は、いきなり独立を検討するのではなく副(複)業という形を検討するのも手かもしれません。(お勤めの会社の副業規定などについてはご自身でチェックしてくださいね!)

手続き

★★★★★ or ☆☆☆☆

副(複)業の場合でも、開業の際は法人設立か個人事業のどちらかを選択することになります。

手続きの内容については該当する項目の内容を参考にしてみてください。

リスク

★★★☆☆ or ☆☆☆☆

同様にリスク面についても先ほどまでに述べてきた内容通りです。

ただ、副業でやるということは本業の仕事で自身の生活が保証されている状態ですので、いきなり独立する場合よりもはるかにリスクは少ないと言えるでしょう。

その他

残念ながらそもそも勤めている会社の規定上副(複)業が禁止されている、という方にはできない方法になります。

また、副(複)業の場合どうしても独立した場合と比べて自由に使える時間は制限されてしまいます。その分事業を進めるペースも遅くなってしまう、というデメリットが存在することだけは留意しておいてください。

 

おまけ

「起業」とは異なってしまいますが、やりたいことを実現するための方法として最後にもう1つだけご紹介しておきます。

企業内新規事業

手続き

★★☆☆☆

その企業の体質にもよりますが、役所での手続き等は社内の慣れている人が担当してくれて、自身がやるのは社内で説明する・承認してもらうための資料だけ、というケースが多いのではないでしょうか?

役所での手続きは誰しも苦手とするところだと思うので、それをやらなくて済むのは大きなメリットです。

リスク

☆☆☆☆

資金面や人材、人脈等のリソースは企業のものを使うことができます。

また、親企業が大きな会社であればあるほどそのネームバリューを使ってスムーズに事業を始めることもできるので、今まで紹介してきたどの方法よりもリスクは低いと言えるでしょう。

その他

・やりたいことが勤めている企業の事業内容や理念から大きく外れてもいない

・新規事業の立ち上げに寛容な会社の風潮がある

・新規事業の立ち上げを任せてもらえる立場にいる

といった条件が前提にはなりますが、これらが幸運にも揃ったら逃さず挑戦してみてはいかがでしょうか?

(最終的にその事業が大きく育って親企業から独立する、といった際に役職や権利等について揉めるケースもあるので、そこは気をつけておきましょう)

 

まとめ

巷には「起業家はリスクをとってなんぼ」という考え方もあるようですが僕はあまりそうは思いません。

減らせるリスクがあるのであれば当然減らすべきで、どれだけ準備しても避けようのないリスクだけを受け入れて前に進む、という姿勢が正しいと思っています。

今回の記事では「起業」の選択肢とそれぞれのリスクを紹介してきましたが、自分にとって最適、かつリスクの少ない方法から第一歩を踏み出していっていただければと思います。

 

ちなみに「リスクを恐れる起業家ほど成功する」といった内容が下記の本の中でも紹介されています。

非常に示唆に富む面白い本なので、もしよければ読んでみてください!

 

最後に、今回の記事で出てきた手続き面の話については、ご自身で調べることもできますが「どうしても苦手。。」という方はぜひスタートアップカフェ大阪にお越しください!

スタートアップカフェ大阪では、毎月様々な士業の先生方にお越しいただいて専門的な相談に乗っていただける機会を設けています。

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