起業コラム
2019.09.27
融資
スタートアップの資金調達!資金調達の種類あれこれまとめVol.3 – 借り入れ編
こんにちは!スタートアップカフェ大阪コーディネーターの伊藤です。
こちらの記事では、資金調達の概要について解説してきましたが、今回の記事はその中で紹介した借り入れによる資金調達について更に詳しく掘り下げた内容になります。
株式の発行とは異なり、借り入れによる資金調達のチャンスは多くあります。
ただし、「借り入れ」と聞くと返済できなかった場合のことを考えてしまって中々手が出せなかったり、どの金融機関に相談に行ったら良いか分からなかったりと、資金調達をしたいけど実際に何から動いていいか分からない、という方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回の記事では融資の種類やリスク、何から動いたら良いかなどを紹介していきたいと思います!
はじめに
前提として、どんな金融機関からであっても借り入れには一定のリスクが伴います。
もし身の回りの親戚や友人などでお金を貸してくれる人がいるのであれば、そういった人たちからお金を借りる方がよっぽどリスクは低いはずです。
ただし、金銭の授受は他者との関係性に亀裂が入ることも大いあるので、慎重に行ってください。
借り入れ(融資)の種類
借り入れの方法は大別すると保証を必要とするもの、保証が必要でないものに分かれます。
保証付融資
「担保」とか「保証人」という言葉をよく聞くと思いますが、これが保証にあたります。
借りた当人が返済能力を失った時に、
・担保にしている資産(建物など)を差し押さえて現金化する
・保証人に代わりに返済してもらう
などにより取りっぱぐれが無いようにするわけです。
ですがスタートアップの段階では担保にするような資産は無いでしょうし、保証人になってくれて、かつ信用力のある第三者を見つけてこれない場合もあるかと思います。
代表自身が保証人になるケースも多いですが、それも自身に信用力があればの話で、特に学生起業などの場合では保証人としての信用力に疑問符がつくことでしょう。
そんな人たちのために信用保証協会というものがあります。
仕組みとしては、
- 信用力の少ない企業が全国に存在する信用保証協会に保証のお願い(保証人になってもらうイメージ)をします。
- それが受理されると、金融機関側は借し出しリスクが減るのでスタートアップにも融資がしやすくなります。
- スタートアップ側に返済能力がなくなってしまった場合、保証協会が代位弁済(代わりに借金の返済)をしてくれます。
- その場合、スタートアップ側は保証協会が代位弁済してくれた金額を保証協会に返済していくことになります。
保証協会の信用を借りることで、信用の少ないスタートアップでも借り入れをしやすくするための方法なんです。
ただし、保証協会が代位弁済してくれたから完了ではなく、その分は後に保証協会に返していくことになるので借り入れたお金はきっちり全額返すことになるのでご注意ください。
保証無融資
こちらはその名の通り、保証を必要としない借り入れの方法になります。
基本的には、信頼のおける個人からの借り入れくらいでしか保証無しで借りれるケースは無いのですが、スタートアップには実は1つだけ保証無しで金融機関から融資を受けられるケースがあるんです!
それがこの後詳しく述べる日本政策金融公庫の新創業融資制度というものになります。
金融機関の種類
日本政策金融公庫
スタートアップでも直接融資が受けられる可能性が一番高い金融機関で、財務省が管轄している国の機関になります。
民間金融機関の補完を旨としているため、民間の金融機関ではなかなか借り入れができないような企業でも融資してもらえるチャンスが大いにあるのです。
また、スタートアップ向けには新創業融資制度というものがあり、適用には条件がありますがなんと無担保・無保証人での借り入れが可能になっています。
とんでもなくお得な制度なので、適用条件を満たしている方は検討されてみてはいかがでしょうか?
新創業融資制度については、こちらのページをご覧ください→https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html
ちなみに、スタートアップカフェ大阪では毎月第2木曜日の16:00-19:00で日本政策金融公庫の方が相談に乗ってくださるので直接日本政策金融公庫に行くのはハードル高いな、、という方は本記事最下部から相談予約の上お立ち寄りください!
信用金庫
ここからは民間の金融機関の紹介になりますが、信用金庫は民間の中でも一番地域密着で規模が小さなものになります。
そのため、
・足繁く通ってコミュニケーションを取ることでスタートアップでも融資のチャンスがある
・規模が小さいので、大きな金額の融資はなかなか期待しづらい
・少額の融資が中心になるので、金利は高くなりがち
という特徴があります。
地方銀行
地銀は信用金庫よりはもう一つ規模が大きく、信用金庫と都市銀行の中間の位置付け・特徴があります。
・融資にあたってある程度の信用は必要だが、都銀ほど審査はシビアでない
・平均融資金額は信用金庫以上、都市銀行未満
・金利も信用金庫以上、都市銀行未満
都市銀行
メガバンクという呼ばれ方をすることもありますが、全国展開している主要銀行を指します。
・審査が非常に厳しく、スタートアップが利用する機会は基本的にはない
・融資金額は信用金庫、地方銀行とは比にならない
・都市銀行から融資を受けたという実績が企業そのものの信頼に繋がる
実際何からしたらいいの?
ここまで融資の種類、金融機関の種類とその特徴をざっと紹介してきましたが、実際に融資を受ける際には、
『どこから』『どういう条件で』借りるかを精査した上で審査に挑むことになります。
『どこから』についてはここまで記載した情報をもとに、ご自身の周りにある、かつ融資のチャンスがありそうな金融機関を調べてみてください。(何度も言いますが、金融機関から借りずに済ませられるならそちらをまずは検討しましょう。)
『どういう条件で』に関しては、
・金利
・返済期間
・元金据置の猶予期間(元金返済を1~2年程度猶予してもらい、その間は利息のみを返済する)
・スタートアップ向けの特別な制度の有無(日本政策金融公庫の新創業融資制度など)
を金融機関ごとに比較検討する必要があります。
この情報収集については、できれば直接金融機関に出向いて相談してください。
インターネット上では出てこない情報を教えてもらえる場合もありますし、何よりその後実際に融資の申し込みをする際には人間関係も大事になります。
上記をもとに申し込みをする金融機関をピックアップし、あとは必要書類を記入の上審査に臨むことになります。
この時に担当の方としっかり人間関係を築いておくと、書類の作り方についてより具体的なアドバイスがもらえたり、担当の方が金融機関内で融資の承諾を得ようと上にプレゼンする時もきっと力を入れてくれるはず。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少し長くなりましたが、借り入れはどんな会社でも資金調達を実現する手法なのでしっかりと情報を集めて、自分に最適な金融機関を見つけられるように動いてみてくださいね。
それでは。
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【スタートアップカフェ大阪コーディネーター】
普段は建築業界のIT化に向けた活動をしています。
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