あなたのサービスを見つけてもらう ~知って楽しい商標の世界~ | スタートアップカフェ大阪

イベントレポート

2019.05.27

あなたのサービスを見つけてもらう ~知って楽しい商標の世界~


現在、世の中には情報があふれ、毎日多くのサービスも商品が産み出されています。

そのような社会で、「商標」とは、大量の商品・役務の中から、お客様に自分のサービス・商品を見つけてもらうための識別標識と言えます。

同じ商品でも、それに見合った適切な商標やユニークな商標をつけることにより、ヒットが生まれることも少なくありません。

商標のつけ方1つで、商品やサービスの売れ行きが全く変わってくると言えるので、「商標」について学んでおくことは、起業する際にも自分のプロダクトやサービスにおいて重要になってきます。

今回は弁理士の両部さんが、商標とはそもそも何かを学び、起業において自らのサービスや商品名を考える際の参考になれば、という想いでお話してくださりました。

商標ってなに?


前提として「知的財産」というものがあります。

知的財産には特許や著作権などの分野に分かれており、その中の1つが商標というものです。

商標の定義は「自分の商品、またはサービスと他人の商品、またはサービスとを区別するために用いられる標識である」というものが一般的に言われているものです。

商標が似てるってなに?


商標には「実体審査」という、複数の審査項目をクリアしなければいけない審査段階があります

その中でも特に引っかかりやすいのが、「他人の登録商標と同じ、または似ている商標は登録できない」という項目です。

「同じ商標」がいけないというのは何となく分かるかと思いますが、問題は「似ている商標」の基準が難しいというところです。

特許庁の中でも似てる・似てないは意見が別れることがあるため、基本的には似ている・似ていないモノを

・外観(見た目)
・称呼(読み方)
・観念(イメージ)

の3つの項目で判断することにしており、この3つの内いずれかが「似ている」かどうかで結果を判断するという方針です。

ただ、この3つの中にも重要度があり、特許庁が重視しているのは圧倒的に称呼です。次に外観、その次が観念という順に見ていきます。

Appleという商標


色んな決まりの中で「指定商品またはサービスの内容を直接表す言葉は誰かに独占させない」という決まりがあります。

例えば「商品:りんご」に対して「商標:Apple」はただの英訳なので取得できません。

しかし、iPhoneを作っている企業の「Apple」は商標になります。

つまり、りんごに対してのAppleは商品をそのまま体現している名称になりますが、iPhone等を作っている企業の「Apple」は原産地や性質などを表した名称ではないので大丈夫だと言う事です。

名称が内容をを表すかどうかは、商品との相互関係が関わってきます。

スタートアップと商標


これから起業して商品を作ったりサービスを提供する場合、具体的に何に気をつけたらいいのでしょうか?

スタートアップという視点で考えたときにどのような商標がおすすめなのかをお話しして頂きます。

既存の商標か、または似ている商標か

「既に登録されている商標と同一、または似ている商標が無いか」を確認するところから始めましょう。

商品・サービス名をやっとの思いで決めて使っていると、ある日突然「その名称を使ってはいけない」という警告が来ることがあります。

大体の人はその警告を受けて、名称を変えます。しかし、応じない場合は裁判に発展することになってしまう恐れもあ流ので、最初の内に調べておく事をオススメします。

パロディに走らない方が良い

日本ではパロディに対する考えはまだ整っておらず、パロディというモノに正面的に向き合わずに判決が出てしまう裁判もあります。

このような、どうなるか分からないものに乗っかるのはあまりオススメできません。

商標は一つひとつ、色んな思いや努力が積み重なってできたモノでもあるので、面白いからという理由でパロディとして名付けるのは

似てる・似てない以前にモラルの問題もあると思うので、自身を守るという意味も含めて、できればやめて頂きたいと考えています。

ターゲットやイメージを意識する

商品やサービスのターゲットやイメージを意識して商標を付けるのは大事だと思っています。

私は「商品の内容を何となくイメージさせるような商標」というのをオススメしています。

「例えば、「伊右衛門」、「綾鷹」と最初に聞いたときに、お茶の商品名だと連想する消費者は少ないと思いますが、

「お~いお茶」」や「爽健美茶」などは、初めて聞いた人でもお茶の名前だなと分かると思います。

スタートアップ時にはCMやPR等に時間、コストをかけるのが難しい可能性がありますので、その様な場合は、「商品を暗示させるような商標」がお勧めです。」

しかし、このギリギリのラインを狙うというのはかなり難しいので、色々な調査は必要になります。

まとめ


これから商品を開発、またはサービスを開始しようとしている方は、自分の身を守るため、そして自分の商品・サービスを世に広めるために商標の事を勉強して、うまく利用して頂きたいと思っております。

商標というのは日常の様々なところに散らばっているので、知識を付けた上でお店の商品など、色んなものを見て生活してみるのも楽しいと思います。

本日の話を是非活用し、今後の活動に役立てて頂ける事を願っています。

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