デザイナーではない人必見!デザインの考え方 | スタートアップカフェ大阪

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2021.02.25

デザイナーではない人必見!デザインの考え方

こんにちは!
スタートアップカフェコーディネーターの小磯です。
現在、ARVRの活用支援や開発、上流から携わるデザイン制作などに携わっています。

仕事柄、多くの方々にデザインについてのアドバイスを求められたりしますが、デザイン=外観を美しく、かっこよくすることだ!と思ってる方々が大半だなと感じこの記事を書こうと思いました。

最近、書店でもデザイン本が見られるようになりました。
2年前から国内でも国をあげてデザイン経営を推進したりと少しずつ世間でデザインの重要性が叫ばれており、勉強し始めてる方も増えてきたと思います。

ここでは、そもそも「デザインとは」やその考え方について解説し、次回以降「学び方」についてお伝えします。

 

そもそもデザインって何

「デザイン」という言葉ですが、本来の意味とは少し異なります。

日本で思われているのは、デザイン=外観を美しく、カッコよくすること
本来の意味は、デザイン=設計

外観を美しく、カッコよくすることは必ずしもデザインと同義語ではありません。

なぜ昨今デザインが注目されているか

いいものを作れば勝手に売れる。
そう思っている人はまだ一定数いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これは高度経済成長期にモノが不足していて新しいモノを作れば売れていた時代に当てはまっていた考え方です。

現在はモノ余りの時代になってきており、ただモノを作るだけでは売れない時代になってしまいました。
(もはやコト消費やトキ消費といって、モノを購買したり消費するよりも体験や参加を求めるニーズの方が高いと言われている。)

https://www.vision-net.co.jp/morebiz/consumption/
(引用:Morebiz『モノ消費からコト消費、さらにトキ消費・イミ消費へ。2010年以降の消費行動の特徴とは?』)

今、企業や個人に求められているのは、いかに世の中や日々の課題を解決し、適切なアプローチで認知してもらい体験や購入してもらうか。

そこでデザインの考え方が役に立ってきます。
最近少しずつ浸透してきましたが、このデザインの考え方を「デザイン思考」や「デザインシンキング」などと呼びます。

2年前から国内でも国をあげてデザイン経営を推進したり、少しずつ企業の間でもデザインの重要性が認知され始めるようになってきたので関心を持つ個人や企業も増えてきましたよね。

https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html
(引用:特許庁『特許庁はデザイン経営を推進しています』)

この記事ではデザイン=設計そしてデザイン思考について説明していきます。

デザイン思考を身に着けるとどんなメリットがあるか

デザインができるようになるといいこと尽くしではありますが、その中でも厳選したものを2つ解説します。

1.思考や情報が整理できる
2.ユーザー視点に立てる

1.思考や情報が整理できる
デザインは整理整頓と似ています。
たくさんある情報の中から本当に必要な情報だけを集めて、優先順位をつけて、取捨選択をし整理していく。
どうすればユーザーにベストな形で伝わるか、目的を達成できるかを考え落とし込んでいきます。
全ての情報を伝えることは必ずしも親切でありません。
ユーザーが求めていることに対して最適な情報を伝えることが、ユーザー目線の第一歩です。

2.ユーザー視点に立てる
登る山が決まらないと遭難してしまうのと同様に、デザインというのは「誰に、何を、何のために」伝えるかがぼんやりしているとゴールに辿りつきません。
デザイン思考にはユーザーのゴールを理解するプロセスが含まれるので、自ずとユーザー目線に立つことができます。

デザイン思考のプロセス

 

ではデザイン思考には、具体的にどんなプロセスがあるのでしょうか?

デザイン思考には決まったフレームワークはありませんが、スタンフォード大学デザイン研究所(通称d.school)のハッソ・プラットナー教授が提唱する、『デザイン思考の5段階』という思考モデルを利用することがあります。

その他の領域のプロセスと異なるのは、ただ左から右にフローを辿っていくだけでなく、概念化のプロセスまで行っても解決方法が見つからなかった場合は、定義に戻るなどデザイン思考の5つのプロセスを行ったり来たりします。

1.共感(Empathise)
2.問題定義(Define)
3.創造(Ideate)
4.試作(Prototype)
5.テスト(Test)

その思考法を実際に繰り返していくうちに、ユーザー中心のデザイン思考が身についてきます。
ここでは各プロセスの解説をしながら、一例として、若年層の女性をターゲットにした「食べても太らないケーキの開発」についてデザイン思考をしてみましょう。

1.共感(Empathise)
第一のフェーズは共感です。
ユーザーの視点に立って、物事を考え、感じ共感することで、ニーズを見つけ出します。
具体的には、製品やサービスをユーザーに使ってもらうユーザーテストや、仮説検証型のユーザーインタビューなどが施策として挙げられます。
今回の場合だと、甘いものは食べたい。でも太りたくないといったようなところが共感にあたります。

2.問題定義(Define)
共感で見つかったニーズを深堀し、潜在的な問題を定義します。
例えばユーザーインタビューで、「今まで同じようなコンセプトを打ち出したケーキはあったが値段が高い」、「美味しくない」というような要望があった場合、潜在的な課題としては今まで食べていたケーキの代替として嗜好品への支出は増やしたくない。甘くて美味しいものを食べたいという欲求は満たしたい。というような意見があるとします。
その場合は、単にカカオ90%の苦いチョコレートケーキや極端に糖度を減らした美味しくないケーキを開発するのではなく、天然の甘味料を使った開発などが実施できます。

3.創造(Ideate)
創造では、ユーザーの抱える課題に対する解決方法を多角的に考えていきます。
アイデア出しの際にはブレインストーミングなどの手法がよく利用されます。
アイデアをまとめる際はマインドマップなどが役立ちます。
ここでは、アイデアをブレストして上白糖の代わりに蜂蜜やきび砂糖を使うことを解決の手段として実施する方向性を検討することになりました。

4.試作(Prototype)
いよいよプロトタイプ(試作品)の制作の段階です。
ここでは1〜3の内容を元に実際に組織内で共有し、それぞれの間でのイメージの相違などを解消していくことが可能です。
今まで再現が難しかった食べても太らない美味しいケーキをチョコレートケーキ一本に絞って販売することにし、試行錯誤を重ね試作品を作りました。(費用については、価格を抑えるために在庫やテナント費用が発生する実店舗での販売はせず、全てをオンラインで受注生産することにより在庫リスクの削減した分、商品の定価を下げれるようになりました。)

5.テスト(Test)
最後にテストです。
実際のユーザーにプロトタイプ(試作品)を利用してもらい、使用の様子を確認したりフィードバックをもらうことで、課題解決について正しいアプローチができているかを検証します。
対象としていた、甘いものが食べたいけど太りたくないというニーズを持つ若年層の女性たちに、実際に試食してフィードバックをもらいます。そこで発生したフィードバックを元にさらに改良を重ねていきます。

デザイン思考を取り入れた代表的なものだと、ゲーム機のWiiや音楽プレーヤーのiPodなどが有名です。
気になる方はぜひこれを機に調べてみてください。

デザインシンキングのフロー(図:デザインシンキングのフロー)

まとめ

いろいろ書きましたが、大切なのはテクニックというよりもむしろ考え方です。

それを理解して初めて、テクニックの重要性などが実感できるかもしれません。
デザインをカッコよくするのはあくまでも「手段」で、「目的」は伝えたい相手に伝わることや課題を解決することです。

デザイン思考が身につくと、ユーザー目線での物事の捉え方や潜在的にユーザーが求めているものを設計することができるようになります。

記事を読んでなるほど!と思っても実践するのは少し難易度が高いかもしれません。
そんな方はぜひ気軽にスタートアップカフェまでご相談にいらしてください。

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